慰謝料とは
慰謝料とは「他人の身体、自由又は名誉を害したる場合と財産権を害したる場合とを問わず不法行為に依りて損害賠償の責に任ずる者は財産以外の損害に対しても其賠償を為すことを要す」と規定しています。
解りやすく説明しますと、慰謝料とは生命・身体・自由・名誉・貞操などを侵害する、不法行為によって生じた精神的損害の賠償として算定された金銭という事です。
離婚に於いては、相手方の不法な行為によって受けた、心の痛みを和らげる為に支払われる金銭と考えられます。
なお、慰謝料の請求ができる期間は損害および加害者を知ったときから3年です。
また、上記の理由から当然に、配偶者の不倫相手にも損害賠償請求、慰謝料の請求をすることができます。損害賠償請求するためには、相手の住所、氏名、勤務先等の情報が必要です。
弊事務所では、相手先を特定するための調査、内容証明郵便による交渉、訴訟準備のための素行調査等、離婚問題に関してトータルなご相談に対応いたします。
慰謝料の請求方法
現状では、財産分与と同じく支払を約束していても実際に払わなくなる人も居ますので、その危険を避けるため、出来るだけ一括払いにするか、分割の場合でも、頭金や1回目の支払いの金額を出来るだけ多くすることです。
夫婦の話し合いで財産分与について決める場合は、金額や支払い方法、支払い期間などを具体的に定めて、後々のトラブルを避けるために、必ず離婚協議書等の文章にしておきましょう。
また、金銭に関する取り決めは強制執行認諾文付の公正証書にしておくことをお勧めします。支払いが滞るなど、約束が守られない場合には直ちに強制執行をすることができます。
慰謝料に相場はあるか
離婚については双方に了解はあるが、財産分与及び慰謝料などの財産関係について合意ができないため離婚が成立しない例は多くあります。
双方に良識がある場合にはスマートな解決が可能でしょうが、そうでない場合には双方の感情問題が絡んでいることが多いだけに、些細な事にもこだわりが生じ問題解決を困難にします。
慰謝料は、離婚の原因を作ったほうが相手に支払うもの。どちらに非があるのかその立場がはっきりしていないと、慰謝料の請求は出来ません。
例えば「性格の不一致」で離婚する場合など、どちらに非があるという事が明確ではなく、夫婦双方の責任と考えられます。この場合、慰謝料の請求は出来ないという事になります(財産分与としての請求は出来ます)
また、慰謝料の算定は過去のデータや司法統計などをもとに行われるが、法律によってその基準が決まっているわけではありません。あくまでも相手の経済力や良心により決められるといえます。相手が会社をやめた直後であったり、全く収入がない場合でも、その支払能力とは関係なしに請求・判決は認められますが、相手に支払う能力がないとなると、実際に支払を確保することはかなり難しくなるようです。
慰謝料の算定基準
一般的に慰謝料の算定の際に、如何なる事情を斟酌すべきかとというと、被害者の、
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苦痛
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財産状態
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生活状態
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職業。社会的地位
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年齢
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過失、加害者の故意、過失・動機
が重視されます。
主として被害者側の諸事情が考慮されるのですが、以上に尽きるのではなく、判例では加害者側の@〜Dの事情も斟酌できるとしていますから、結局慰謝料は、裁判官が、自由裁量により、公平の観念に従い、算定するという事になってしまいます。
又、離婚のやむなきに至ったものが、常に慰謝料をとれるとも限りません。
しかし、これでは現実に離婚の場に直面した際に役に立たないでしょうから、平成10年分の家庭裁判所で離婚の話し合いがつき、慰謝料・財産分与の取り決めをした件について、具体的な目安として以下の表をご参照下さい。